ChatGPTとのお付き合い:魅力的な嘘つき

ガジェット(便利な電子機器小物)
新し物好きの私は、ChatGPTが登場した時には飛びついて、次々と思いついたことを質問していった。ChatGPTによる仕事の効率化が人生を豊かにするのか、AI(人工知能) が人間の知性を超える技術的転換点(シンギュラリティ)が到来するのか、AIによる人類支配が平和をもたらすのかなど興味があることをChatGPTに尋ねていった。新しい遊び道具に夢中になる子供のように、時間を忘れてChatGPTに没頭した。Google検索とは違って、質問した事項のネット検索のまとめを返してくれるので、簡便かつ時短で結果を知るには役立つのではないかと思えた。しかし、インターネット上の膨大なデータセットでトレーニングされたChatGPTは、人間のようなテキストを生成するが、完璧ではなく、時々誤った情報を生成したり、不適切な発言をしたりすることがある。

何事もチャット誤魔化す罪なヤツ
「ジャディアンスについて教えてください」とChatGPTに尋ねると以下の答えであった。
ChatGPT>
ジャディアンス(Jedi-ness)は、映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場する架空の宗教的な戦士集団で、ジェダイ騎士(Jedi Knights)やジェダイ・マスター(Jedi Masters)が所属する。彼らはフォースと呼ばれる力を使い、平和を守り、悪と戦う使命を担っています。ジャディアンスの特徴には、信念、自己犠牲、道徳的責任感が含まれます。また、ライトセーバーと呼ばれるエネルギービームを扱うことも特徴的です。

ChatGPTの回答は楽しい答えだが、全くファンタジーの世界である。ChatGPTは、知らないことをうまく誤魔化して、ストーリーを作ることがあり、幻覚(hallucination)と呼ばれている。
続いて「エンパグリフロジンについて教えてください」と尋ねると、これには正しい答えを返してくれた。
ChatGPT>
エンパグロフロジン(Empagliflozin)は、2型糖尿病の治療に用いられる経口薬の一種であり、SGLT2阻害剤として知られています。

(以下略)そこで、「エンパグロフロジンの商品名がジャディアンスですか?」と尋ねると、
ChatGPT>
申し訳ありません、私の以前の回答に誤りがありました。エンパグロフロジンの商品名として「ジャディアンス(Jardiance)」が正しいです。ジャディアンス(Jardiance)は、エンパグロフロジンを含むSGLT2阻害剤の一つであり、糖尿病の治療に使用されます。再度、誤った情報を提供したことをお詫び申し上げます。

こんなやりとりをしていると、ChatGPTを教えているという愉快さを感じる。またChatGPTが過ちをすぐに認め謝るところには可愛げがある。全く役に立たない遊びの時間だが楽しい時間である。

優しきチャットで医者いらず
誰がやっても同じような作業は、ChatGPTに任せるのが効率的である。忙しい医師は、電子カルテの入力や紹介状作成などをChatGPTに依頼することで時間を節約できる。これからの電子カルテでは、ChatGPTが標準装備されることが期待される。音声入力で必要な情報だけを自動的にカルテに入力できるようになれば、医師はキーボードではなく患者に向き合った診療ができる。ChatGPTは問診内容から診断を推測し、必要な検査を提示してくれる。検査結果から診断し、治療方針を示唆してくれる。さらに、ChatGPT 4.0では会話機能が使えるようになっている。将来、患者と会話する「Dr.ChatGPT」が登場すれば、問診や病気の説明を行ってくれるだろう。何を言われてもイライラしないAIの方が医師よりも良好な患者とのコミュニケーションを取れるかもしれない。結果的に医師よりも「Dr.ChatGPT」の方が人気を博するかもしれない。AIが医師よりも人間らしい共感を患者に提供できるようになれば、医師に残された仕事はAIを追認(rubber-stamp)することになってしまうのだろうか。

流暢な嘘つき
一つのテーマで文章を書くとき、以前はGoogleで情報を集め、自分で文章を作成していた。しかし、最近はChatGPTに質問して要約を作成してもらった後に、自分の意見を加え、ChatGPTに推敲してもらうようにしている。このプロセスを繰り返すことで、より理解しやすい文章を作成できるようなったと思う。以前は検索に多大な時間が掛かり苦労して下書きを作っていたが、ChatGPTなら数分で下書きを作ってくれる。下調べの時間を短縮することで文章の仕上げに時間を回す事ができる。しかし、できるだけ多く情報を集め、中味の濃い文章を作ろうとする。そうすると、結果的にChatGPTが作った文章の比率が増える。そのうちChatGPTの文章が、まるで自分が作ったかのように思え、自分の思考とChatGPTの文章の区別が曖昧になる。不十分な情報からでも説得力のある優等生的な文章を作るのは、ChatGPTの得意技だ。しかし、私が日常生活で行う言動も、同じようなプロセスかもしれない。最近は自分自身を「ChatGPTな私」だと感じてしまう。

さて、国会答弁をChatGPTで作成するという話がある。定型的な国会答弁の文章は、ChatGPTの得意とするところだろう。尤も黒塗りの文章ばかりをChatGPTに読み込ませるようだとブラックな答弁にしかならないと思われる。

心なきAI(あい)が惑わす人心(ひとごころ)