新年明けましておめでとうございます

今年の干支は辛丑(かのとうし)です。60年前の「辛丑」は1961年でした。この年には旧ソ連のユーリイ・A・ガガーリンが世界初の有人宇宙飛行に成功しました。対抗したアメリカのジョン・F・ケネディ大統領はアポロ計画を発表しました。宇宙時代の幕開けに相応しい年でした。

昨年は中国武漢から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が全世界に蔓延しました。2020年10月31日時点で、全世界で感染者数4,500万人、死亡者数110万人を越え、わが国でも感染者数が10万人を越えました。感染予防のため、三密を避け、ソーシャルディスタンスを保ち、リモートワークが求められる「ウィズコロナ時代」が幕を開けました。

パンデミックが歴史を動かすと言われています。14世紀中頃、ペストが大流行し、西ヨーロッパの1/3の人が死亡したと推定されています。教皇や教会もペストの前では無力であり、ローマ教会の権威が失墜しました。一方、人口減少により農民の地位が向上し、封建社会の崩壊を進めました。21世紀のパンデミックは、グローバル化した世界に瞬く間に拡がり、世界各国は感染拡大に対して中世さながらの都市封鎖(ロックダウン)で対応しました。文明化された現代社会が実は脆弱であることが可視化されました。

「辛丑」には辛く苦しい状況を乗り越えて結びつきが強まるという意味があります。人類共通の敵となったCOVID-19を克服するため、国際協調が強まる1年になることを祈念したいと思います。