ワクチン忌避

2019年にWHOは「世界の健康に対する10の脅威」の1つとして「ワクチン忌避」を挙げています。ワクチンが安全で効果的であるという科学的評価にも関わらず、安全性に対する不安からワクチン接種を拒否する人が増えると、本来ワクチンで予防できる病気が流行し死に至ることがあります。欧米では2000年以降、ワクチン接種率低下により、ほぼ撲滅されていた麻疹の集団発生がみられました。わが国では、「副反応に懸念」の声があがり、厚労省が2013年6月に子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の積極的推奨を差し控えています。そのためワクチン接種率は約70%から1%未満へと接種率が著しく低下しました。このままではわが国では年間約1万人が子宮頸がんになり、約2800人が命を落とすことになると推定されています。2020年10月、スウェーデンからHPVワクチンが子宮頸がんを63%減らす効果があるとの論文が発表されました。HPVワクチンの子宮頸がん予防効果が明らかになったことから、わが国においてもワクチンの積極的推奨の速やかな再開が望まれます。

長野県医師会:健康トピックス:2021年3月1日