風立ちぬ 富士病棟や 夢路蹟

堀辰雄の小説「風立ちぬ」の舞台となった富士見町の旧富士見高原療養所の「富士病棟」の取り壊しが十七日、本格的に始まった。一九二六(大正十五)年の療養所開設時の建物。JA長野厚生連富士見高原病院の敷地内に唯一残され、高原のサナトリウム(長期療養所)の歴史を伝えた。

結核患者を受け入れた施設で、画家竹久夢二や作家横溝正史ら文化人が療養したことでも知られる。近年は、富士病棟二階を結核治療の資料館として使用してきたが、建物の老朽化が著しく、地震倒壊のおそれもあったため、新病棟建設に伴い取り壊しを決めた。

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