新型コロナウイルス感染症ワクチンに対するWHOの見解

SAGE updates COVID-19 vaccination guidance

WHOの指針の要約
 
1. 多くの人が新型コロナウイルスに既に感染しているか、ワクチンを接種しているか、もしくはその両方となっているため、一律でワクチン接種を推奨する段階から、個人の感染リスクや重症化リスク、国や地域の新型コロナウイルス感染症や他の感染症の流行状況、経済状況に応じて国や地域ごとに判断する段階に移行する。
 
2. 高齢者、重症化リスクが高い基礎疾患がある若年者、生後6カ月以上の免疫不全者、妊婦、医療従事者は引き続き、ブースター接種が必要であり、最後の投与から6カ月から12カ月後に追加接種することを推奨する。
 
3. 健康な成人、基礎疾患のある子供には、3回接種を推奨する。ブースターの追加接種は安全だが、公衆衛生上の利益(個人ではなく国や地域全体で見た時の利益)が比較的少ないため、全員一律にブースター接種を繰り返すことは推奨しない。
 
4. 生後6カ月から17歳の健康な子供では、ワクチン接種は安全かつ有効だが、病気の負担が少ないことから、その他の優先すべき事項(麻疹などの必須ワクチンの接種)、経済的な問題などを考慮し、国や地域が接種するかどうかを判断して良い。
 
5. 乳児の感染でも、確率は低いが重症化する例があり、乳児は6カ月以上の子供よりもリスクが高い。妊娠中のワクチン接種は、妊婦自身と胎児を守り、さらに出産後に乳児の入院(重症化)リスクを減らす。妊婦は前回の接種から6カ月以上経過している場合は追加接種を推奨する。
 
6. 使用するワクチンはBA5対応の2価ワクチンを推奨する。

WHOはワクチンの安全性と効果は認めており、ハイリスク者への接種は推奨
接種の目的は感染を防ぐことから重症化予防に変化