健康な成人のワクチン追加接種、2回以降「推奨せず」 WHOが指針見直し

【3月29日 AFP】世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルスワクチンの接種指針を見直し、健康な成人らへの追加接種(ブースター接種)について、有益性が限定的だとして2回目以降の接種を「推奨しない」とした。

WHOの予防接種に関する戦略諮問委員会(SAGE)は新指針について、新型コロナの変異株「オミクロン株」が主流となったことの影響に加え、感染とワクチン接種によって獲得された集団免疫を考慮したと説明している。

SAGEは、ワクチン接種対象者を重症化率と致死率に基づき三つのグループに分類。最優先すべき高齢者、糖尿病などの基礎疾患がある人、免疫不全の人、妊婦、医療従事者にのみ定期接種を推奨するとした。

優先度が中程度のグループは「60歳未満の健康な成人、基礎疾患のある子ども」で、追加接種は1回までを推奨するとした。2回目以降の追加接種については害はないが公衆衛生上の有益性はごくわずかだ」として、「推奨しない」としている。

さらに優先度が最も低い健康な子どもや若者については、初回接種・追加接種ともに安全かつ有効だが、重症化しにくい点を考慮すると、公衆衛生政策の優先度や費用対効果などに基づく各国の判断に委ねるとしている。

https://www.afpbb.com/articles/-/3457564

ワクチン接種対象者を重症化率と致死率に基づき「高」「中」「低」の3グループに分類
「高」に該当する人は高齢者や、若くても糖尿病などの基礎疾患がある成人、免疫不全の人、妊婦、第一線の医療従事者で、これらの人々には引き続き追加接種を推奨している。
「中」は60歳未満の健康な成人のほか、基礎疾患があっても子供や若者の場合で、通常の2回の接種を済ませた後の1回の追加接種は推奨する。2回以上の追加接種に関しては「安全に問題はなく、深刻な症状や死の危険に対しては効果はある」とも指摘している。しかし「得られる効果は実際にはかなり少ない」と強調。「『中』の集団については、もはや追加接種を勧めることはない」と結論付けた。
「低」に当たるのは生後6カ月から17歳までの赤ん坊や未成年だ。